唐沢岳(2,633m)は、西に高瀬ダム湖、北に七倉ダム湖、南東に餓鬼岳という立地です。常念山脈の北端にありながら、主稜線と外れて、後立山連峰の稜線に寄った場所に孤立しています。このため、北アルプスの名だたる山々を一望できる稀有な展望台です。しかし、餓鬼岳から往復5時間のピストンというアクセスの悪さから訪れる人が少ない場所です。今回は、そんな唐沢岳からの絶景を紹介します。
餓鬼岳の北にあるピーク
朝5時起きで、唐沢岳に向けて出発。テン場に荷物を置いて、軽装で往復します。ここは餓鬼岳の北にある白砂が美しいなだらかなピーク。朝日に染まる山々が美しい。正面の奥に突き出ているのが槍ヶ岳、その手前が燕岳、左手にシルエットになっている洗濯板状の山がケンズリ。
餓鬼のコブに向けて下るポイント
登山道が右に直角に折れ曲り、餓鬼のコブに向かって急激に下り始める場所がある。このポイントから登山道を逸れて西に少し進んだ場所でのパノラマ写真です。正面が烏帽子岳と三ツ岳で、その奥に赤牛岳が頭を覗かせています。
正面右側手前の二コブのピークの方向には進みません。登山道は、画面右手方向です。右側の大きな二等辺三角形が目指す唐沢岳で、その更に右側にある奇岩を載せた小山が餓鬼のコブです。
餓鬼のコブより
正面が唐沢岳、その両側にカメノテ状の奇岩が並ぶ。この場所が餓鬼のコブの上です。餓鬼岳から続く稜線が、一度大きく落ち込み、そこから登り返した場所。視点を180度転回して、来し方を眺めてみると、結構な標高差を下ってきたことが分かります。
唐沢岳山頂にて
北アルプスに数多ある山脈から1つだけ外れたような場所になる唐沢岳。餓鬼岳からピストンするか、高瀬ダム脇の幕岩をロッククライミングするしか到達手段がないという孤高の立地。長らく、是非とも行ってみたい場所となっておりました。
果たして、ようやく辿り着いた山頂からの眺めは、期待に違わず素晴らしいものでした。全画面表示にして、画面をドラッグして、360度の眺望をお楽しみください。最高の天候で北アルプスを撮影することができました。
高瀬ダムは外せない!
唐沢岳の山頂から3ダム(大町ダム・七倉ダム・高瀬ダム)を一望できるのでは!と期待していたのですが、残念ながら叶わずでした。山頂からだと高瀬ダムが死角に入ってしまうのです。そこで、岩を伝って、少しダム寄りの位置に移動して撮影したのが、このパノラマです。エメラルドグリーンの湖水とロックフィル・ダムの特有のジグザグ道がはっきり見えます。そして、不動岳の崩壊地も目の前。
山の眺めも最高。白馬連峰、後立山連峰、立山連峰、裏銀座、槍、表銀座、常念山脈など北アルプスの名峰が勢揃いです。
そして、個人的に大好きな七倉尾根の天狗の庭が高瀬渓谷を挟んで反対側に見えます。過去の登山を思い出しながら、山々を眺めるのは、とても幸せな時間でした。